全国4拠点、32チーム約800名を対象に『ハタラクカルテ』を導入で退職者が減少。今後は、従業員ロイヤリティ向上でお客様対応品質アップを目指す

株式会社WOWOWコミュニケーションズ
業種
受託/アウトソーシング
企業規模
500〜1000名
課題
従業員の意識/満足度の変化の把握、離職率の軽減

全国4拠点でコールセンターを運営するWOWOWコミュニケーションズ様。CRM事業企画部の本間様、また現場で推進を担当されている閨谷様、浅沼様に、多拠点で実施・アクションしていくための手法や、実施の効果についてお話を伺いました。

導入の決め手はチーム単位の細かい結果まで見ることができること

  • ハタラクカルテ導入の背景を教えてください

ハタラクカルテ導入当時の現場管理者の課題は「人材定着率の向上」でした。

当社ではコールセンターのアウトソーシングを請け負っており、電話応対をするコミュニケーターは、派遣社員の方が多くを占めます。数ヶ月の研修を経て独り立ちを目指すのですが、研修後の退職・派遣契約終了となるケースも多く人材の定着が課題でした。

実は他にも実施しているサーベイはあるのですが「チーム単位の細かい結果まで見ることができる」「従業員が重視する項目がわかる」「すぐに結果を見ることができる」の3つが決め手でハタラクカルテの導入を決めました。特に、現場の担当者からすると、改善の推進のためにチーム単位の結果まで見るというのは必須と感じています。

ただ、導入開始1年ほどが経過した2021年7月頃からは、「人材定着率の向上」から「働きやすい職場づくり」へと目標をシフトさせました。より本質的な職場改善を目指そうと目線が上がったためです。現在ではその目標設定に基づく調査・分析・改善を実施しています。

スコアの確認とアクションプランの策定は現場主体で

  • 多拠点で実施、さらにアクションしていくのは難易度の高いことだと思いますが、どのように実行されていますか

ハタラクカルテを利用しているのは、横浜本社・札幌センター・横浜センター・沖縄センターの4つのセンターで、32チーム約800名が対象です。実施頻度は半年に1回程度で、全体で実施日を決めて対象者のリストをCRM事業企画部で準備しました。複数のセンターで同時実施することになるので、スムーズに実施できるようにログインの方法などを事前にマニュアルで伝達しておきます。100名以上の部門でも、センター責任者とスーパーバイザーで無理なく運営できています。

その後、アンケートの結果をCRM事業企画部・センター責任者・スーパーバイザーで共有しあい、分析をしていきます。あくまで現場主体・ボトムアップで推進してもらうということを大事にしています。

このために、ハタラクカルテの管理画面も現場の責任者が直接確認、CRM事業企画部でフォーマット化した「スコア評価シート」・「アクションプランシート」をつくっていくという形で取組んでいます。

管理画面上で、各チームの責任者に、前回のアンケートの結果と比較して改善した項目、悪化した項目や、「重要とする価値観」のランキングなど、気になる点を確認し、まずは「スコア評価シート」に記入してもらい、現状を把握してもらいます。

アクションについては、担当者と推進プロジェクトのメンバーで、1時間くらいディスカッションをしてもらい、その結果を現場に持ち帰ってもらった上で各チームごとにアクションプランを作成、またその結果をプロジェクトメンバーでレビューし、「アクションプランシート」にまとめていきます。「改善対象項目」「改善施策」「目的」などを明確にし、「いつ、誰が、誰に、どんな方法」で実施するか役割分担まで表記します。

この時大事にしていることは、腹落ち感。普段感じる職場の雰囲気と結果があっているか?結果の要因に心当たりはあるか?など、きちんとディスカッションし自分たちでまとめ、自分ごととして進めてもらうことが大切だと感じています。

また、フォーマット化してあると、他の責任者や経営陣が確認した際も説明がしやすく効率的です。

▽アクションプランシートの一例(イメージ)

 現在は定着率が向上。今後は従業員のロイヤリティ向上によりお客様対応の高品質化を目指す

  • 1年半運用されてみて、効果はいかがですか

継続的に利用することで、本質的な課題が発見でき定着率が向上しました。

単にハタラクカルテを実施するだけでは意味がなく、アンケート結果を適切に分析し、アクションプランの策定と実行、再びハタラクカルテで効果検証をするという流れをつくったことが結果に結びついたと思います。アクションプランと効果の繋がりが可視化できるようになり、社内での共有もスムーズになりました。

各センターや従業員からはハタラクカルテのメリットとして大きく3つがあがっています。

1つ目が、「短時間で回答でき、質問項目がわかりやすいこと」。正しく課題を可視化するためには、回答率の高さも重要です。当社はコミュニケーターの年齢層も幅広く、各センターごとに100名以上の対象者がいますが、アンケートの回答時間は10分程度。質問項目も一度読んですぐに理解ができる内容です。メールアドレスがなくても可能で、PCでもスマホでもできる手軽さも助かっています。そのため、回答率は全体で90%を超えます。

2つ目は、「レポート画面の操作性」。従業員のアンケート回答時の操作性も大切ですが、人事担当者・センター責任者が分析するときの操作性もおなじくらい重要です。チームごとだけでなく、その中で年代や家族構成などセグメントを変えて結果をみることが簡単にでき、さまざまな角度から得たい結果を見ることができます。

3つ目は、「仮説検証のしやすさ」。課題や重視される価値観はチームごとにバラバラですので、それぞれのチームが自分たち自身で分析をすることで、センター責任者しか気づくことができない隠れた要因をみつけることができます。課題の特定や考えられる要因の把握がしやすく、その後のアクションプランに紐付けやすいことがメリットです。

(閨谷)私のセンターでは、2020年度はコミュニケーターひとりひとりの成績表を作成して面談するという取り組みを行ったのですが、「何を目標にするか分かった、がんばろうと思うきっかけになった」という声が出て、コミュニケーターさんと目線をおなじにして接することができるようなきっかけになったと感じています。

(浅沼)私が担当している中には、クライアント様の施設の中で稼働しているセンターもあるのですが、クライアント様がこの結果を気にかけて改善に動いてくださったこともありました。クライアント様が当社と同じように、従業員を大事に考えてくれているというのがわかったのが非常に嬉しい出来事でした。

今後は、ハタラクカルテを活用して、つぎのようなことに取り組みたいと考えています。

・各センターや業務担当ごとに現状の課題を可視化
・働きやすい職場環境の構築
・センター責任者を中心としたPDCAサイクルの運用で管理者の意識を啓発

 

働きやすい職場環境を構築することで、望まない離職が減ることを目指していきたいと思います。

そして、サービス目線でいえば、従業員のロイヤリティ向上によりお客様対応の高品質化を目指したいと考えています。

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