【データで解説】介護業界の深刻な人手不足の原因と対策方法とは?

  • 組織診断

作成日:2020/5/23
最終更新日:2024/1/12

テレビや新聞でも何度も取り上げられている通り「介護業界の人手不足」は非常に深刻な状態で、働き手が足りないために介護施設の入居待ちが続いたり、介護施設もサービスを続けられなくなりそうという施設も複数あるなどの状況です。

今回は介護業界での人手不足の原因や対策法をご紹介します。

深刻な介護業界の人手不足の実態

上述の通り、日本の介護業界では深刻な人手不足の状況です。
データも交えて、介護業界の人手不足背景と実態を説明します。

介護業界の人手不足の背景

 

日本では少子高齢化に伴い労働力人口が減少しており、今後ますますの減少が見込まれます。(参照:総務省「令和4年版情報通信白書 第1部 特集 情報通信白書刊行から50年~ICTとデジタル経済の変遷~」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r04/html/nd121110.html,記事更新日:2022/8/30、参照日:2023/12/5)
現在はほとんどの業界で働き手の売り手市場となっており採用求人倍率も高騰しているため、介護業界にとっても新規採用は非常に苦しい環境になっていると言えるでしょう。

介護業界の人手不足の実態をデータで確認

参照:厚生労働省ホームページ

“「令和4年版厚生労働白書」図表1-2-39 有効求人倍率(介護関係職種)の推移(暦年別)(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/21/backdata/01-01-02-39.html参照日:2023/12/1”


画像に示した有効求人倍率の推移のうち令和3年度の有効求人倍率では、全職種平均が1.03倍だったのに対し、介護関係職種が3.64倍と、他の業界と比較しても求人数に対して求職者数が少ない状況です。このことからも、介護業界では働き手の奪い合いが激しい状態になっており、人手不足の状況が伺えると思います。

 

また、介護労働安定センターが行なった平成30年度介護労働実態調査でも、介護業界における従業員の悩みとして「人手が足りない」という回答が一番大きな割合54.2%を占め、2番目に大きな割合の「仕事内容の割に賃金が低い」の39.1%を大きく上回っています。従業員の半数以上が悩みとして「人手不足」を挙げている状況からも、介護業界の人手不足の深刻さが伺えます。

参照:公益財団法人 介護労働安定センターホームページ

“「平成 30 年度 「介護労働実態調査」の結果」労働条件・仕事に関する悩みの上位項目(複数回答)調査期間:平成30年10月1日~10月31日(https://www.kaigo-center.or.jp/index.html参照日:2023/12/1”

介護業界の人手不足の原因

介護業界の人手不足の原因としては、大きく2つあり、1つが上で紹介した介護業界において採用が非常に厳しい状態になっていることです。

もう1つの理由が介護業界における「離職率が高い(定着率が低い」ことです。

 

介護労働安定センターが行なった平成30年度介護労働実態調査でも、人手不足の事業所の人手不足の理由の2番目に多いものは離職率が高いことでした。

介護業界の離職率は15%~17%と他業界と比較してもそこまで高くないものの、離職者の中の勤続年数ごとの割合で見ると、「1年未満の者が39.2%」「1年以上3年未満の者が34.0%」と離職者の約73%が3年以内の勤続と、中間管理職が育成されないことなどが人手不足の1つの原因となっています。

 

参照:公益財団法人 介護労働安定センターホームページ

“「平成 30 年度 「介護労働実態調査」の結果」Ⅱ 雇用管理の状況 1. 採用率及び離職率 および 2. 従業員の過不足(2)不足している理由(複数回答)調査期間:平成30年10月1日~10月31日https://www.kaigo-center.or.jp/index.html参照日:2023/12/1”

介護業界の人手不足の対策法

介護業界の人手不足の対策法とは以下のようなことが考えられます。

1.介護施設で働きやすい環境を整えていく

顧客情報や勤怠情報の管理をITツールで行うことや、介護施設の機器設備を新しくすることで業務を効率化し、残業時間を減らしたり有給を取得しやすくし、心身の疲労を軽減につなげることが、より長く働ける環境を作っていくことになると考えられます。

 

働きやすい環境を作るための従業員アンケートツール「ハタラクカルテ」

2.外国人の人材やシニア層の受け入れ

参照:厚生労働省ホームページ

“「福祉・介護人材の確保に向けた 取組について」介護福祉士候補者受入れ人数の推移(https://www.mhlw.go.jp/content/12201000/000363270.pdf参照日:2023/12/1”

 

外国人やシニア層など、これまで介護業界の働き手として中心ではなかった層の受け入れを積極的に拡大していくことも、人手不足を解消する上で有効となると考えられます。公益財団法人 介護労働安定センターによる調査を見ると、既に60歳以上が全介護労働者の2割を占め、シニア層の拡大はある程度進んでいると言えそうです。一方で、外国人を受け入れている事業所は全体の4%とまだまだ少ない状況です。厚生労働省の調査を見ると外国人の受け入れは少しずつ増えてきているものの、受け入れ拡大の余地はまだまだ大きそうです。

参照:公益財団法人 介護労働安定センターホームページ

“「平成 30 年度 「介護労働実態調査」の結果」介護労働者の年齢割合 及び4. 外国人労働者の受け入れ等 (1) 受け入れ状況(https://www.kaigo-center.or.jp/index.html)参照日:2023/12/1”)

3.介護職のイメージ刷新

介護職へのイメージから「待遇があまり良くない」「体力的・精神的にきつい」という要素を払拭すれば、求人の応募者数が増加するかもしれません。例えば厚生労働省は、介護職の魅力を発信したり、実際に業務を体験してもらう取組を推進しています。

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この記事を書いた人

ハタラクカルテ編集部

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