エンプロイアビリティとは?厚生労働省が定める構成要因や重要である理由を紹介
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エンプロイアビリティとは
エンプロイアビリティの意味
エンプロイアビリティとは、Employ(雇用する)とAbility(能力)を組み合わせた言葉で、「ビジネスパーソン」が企業に雇われる上での能力や可能性を意味する言葉です。
詳しく説明すると、エンプロイアビリティは「雇用される能力」「継続して雇用される能力」「環境の変化に合わせて異動や他の会社への転職ができる能力」の3つを兼ね備えた能力や可能性を指す言葉です。
転職が一般的になった現代で、ビジネスパーソンとしても市場価値を測る1つの材料として重視する傾向にあるため、企業としても自社で活躍し続けてもらうために投資を続け、エンゲージメントを高めるなどして、両者にとって良い関係を築いていくことが重要です。
絶対的なエンプロイアビリティの意味
絶対的なエンプロイアビリティとは、時代や景気に関わらず比較的に安定して特定の仕事を獲得できる能力を指します。
医師や弁護士、会計士などがこれに当てはまり、これらの職種は時代や国を問わず仕事を獲得できるものですので、絶対的なエンプロイアビリティとされています。
相対的なエンプロイアビリティの意味
相対的なエンプロイアビリティとは、需要と供給の関係により、相対的に必要とされる職種で、時代によって必要とされれば相対的に需要も高まりますが、その分プレイヤーが増えると供給が増えるため、エンプロイアビリティは低くなっていきます。
こういったように時代や外部環境の変化によって必要とされる・されなくなってしまう職種のことを相対的なエンプロイアビリティと言います。
エンプロイアビリティの能力の要素
エンプロイアビリティの能力は、厚生労働省の研究によると次の3つで構成されていると定義しています。
- 職務遂行に必要となる特定の知識・技能などの顕在的なもの
- 協調性、積極的等、職務遂行に当たり、各個人が保持している思考特性や行動特性に係るもの
- 動機、人柄、性格、信念、価値観等の潜在的な個人的属性に関するもの
エンプロイアビリティの能力の評価を行う際は、3の能力のみ可視化されにくく客観的に評価することが難しいため、1,2を元に評価基準を定める必要があります。
内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティ
エンプロイアビリティにも内的エンプロイアビリティと外的エンプロイアビリティの2種類があります。
内的エンプロイアビリティ
内的エンプロイアビリティとは、所属している会社や組織の中で評価されて、雇用され続ける能力を指します。
内的エンプロイアビリティが高い人は、高い業績をあげるだけでなく、組織において必要な人(その会社に必要な専門知識や経験を有している)と考えられます。
外的エンプロイアビリティ
外的エンプロイアビリティとは、所属している会社を含め他の会社であったとしても同等の条件で雇用される能力を指します。
外的エンプロイアビリティが高い人は、どの会社に置いても普遍的に必要な知識や経験を有していたり、飛び抜けて何かの領域に知識を有していることが考えられます。
エンプロイアビリティを評価の対象にするメリット
エンプロイアビリティを評価の対象にするメリットとしては、「従業員自身がスキルアップや経験を増やそうと積極的に取り組む」こと、そして従業員のエンプロイアビリティが高まることで「1人1人の生産性が上がって業績が向上する」ことが期待されることなどが考えられます。
エンプロイアビリティを評価の対象にするデメリット
エンプロイアビリティを評価の対象にするデメリットとしては、エンプロイアビリティが高い人材は他の会社からのスカウトや引き抜きが行われる可能性が高くなりますので、「自社の優秀な人材が離職してしまう可能性がある」こと、そして会社が必要な投資を行なっていないにも関わらずこういった評価が行われることで、「会社への不満が溜まってしまう」ことなどが考えられます。
エンプロイアビリティを評価する中でも企業側が従業員に対して必要な支援や投資を行い、従業員と企業双方が成長してメリットを受けられるような状態を作っていくことが重要です。
エンプロイアビリティとエンプロイメンタビリティ
エンプロイアビリティを向上すれば上述の通り、他者からのスカウトや引き抜きで従業員が会社をやめるリスクが高まります。
そこで重要なのが、エンプロイアビリティの対の言葉である「エンプロイメンタビリティ」です。
エンプロイメンタビリティとは、企業側が雇用しうる能力のことで、従業員がスキルアップしたとしても自社に定着してくれるような組織づくりを行なっていくことで向上していくものです。
従業員のエンプロイアビリティを向上させるとともに、企業側のエンプロイメンタビリティを向上させることにより、市場価値の高い会社が定着・活躍するかつ、その会社で働き続けたいと思えるような魅力的な会社を作り上げていくことが可能になります。
従業員が定着・活躍する組織を作ろう
今回は、エンプロイアビリティについて紹介しました。
従業員のエンプロイアビリティを向上させていくことは従業員にとっても会社にとってもメリットの大きいことですが、同時に企業側も従業員が定着するような組織を作っていくことが重要です。
組織サーベイツールの『ハタラクカルテ』では、人材定着に結びつきの強い15項目49問の質問を元に、組織の課題を可視化し、従業員の離職のリスクになりうる項目を特定できるため、従業員が定着し続ける組織を作る上で非常に重要な役割を果たします。
ぜひ従業員が定着し活躍していく組織を作っていくためにご活用ください。
この記事を書いた人
ハタラクカルテ編集部