社員教育の目的や代表的な方法とは?ディズニーやトヨタの事例も紹介!
- 教育の体制
- 組織改善施策

社員教育とは
社員教育とは、従業員に対して企業で働く上や社会人として必要なスキルや知識を身につけてもらうために成長する機会を企業から提供するものです。
労働力人口の減少により、働き手が少なくなっている背景から従業員の生産性の向上は多くの企業の課題であるため、今後ますます多くの企業が社員教育に力を入れることが予想されます。
社員教育を行う目的やメリット
社員教育を行う目的やメリットとしては以下の3つのものがあります。
1.企業理念や行動指針などの浸透
内定者や新入社員の研修で取り上げられることが多いですが、その会社の理念や経営戦略、行動指針を一番最初に覚えてもらうことで、従業員が企業のことを考えて行動をする土台を作ることに繋がります。
2.労働生産性の向上
業務を行うために必要な知識やスキルを社員教育を通して身につけてもらうことで、その後の生産性が向することが期待されます。
実際に内閣府が発表した平成30年度経済財政報告(経済財政白書)原案によると、、平均的には1人当たり人的資本投資額の 1%の増加は、0.6%程度労働生産性を増加させる可能性があるという結果が出ています。
3.対外的な信頼やコンプライアンス・セキュリティー等のリスクの軽減
ビジネスマナーを身に着けることや企業としてのコンプライアンス、情報セキュリティーなどの社員教育の機会を提供することで、外部の人とのやり取りの上での信頼を崩す可能性を減らせる他、コンプライアンスやセキュリティー周りのインシデントの発生を防げることに繋がります。
社員教育の種類とそれぞれ行うべきタイミング
社員教育にもいくつかの種類があり、それぞれ実施すべきタイミングも異なるため、それぞれ紹介します。
入社前や入社時:内定者研修・新入社員向け研修
内定者や新入社員はこれまで社会人としての経験がないため、会社の理念や経営戦略、ビジネスマナーや社会人としての基礎知識などをまずは覚えてもらう必要があります。
実施するタイミングは企業によって異なりますが、内定辞退も目的の1つに内定後から始めるパターンや入社した後の入社式から取り組む企業など各企業によってバラバラです。
部署本配属後:OJTや現場研修
新入社員も中途入社の社員も部署に本配属された後に、実際の仕事の流れや業務内容・業務のやり方を学ぶ必要があります。
その人担当の教育係がつくケースや、配属された人数が多ければ講義形式で説明を受けるものもあります。
入社して数年経過した時:スキルや専門別研修
入社してからはより一層活躍してもらうため、そして優秀な人材に長く働いてもらう(リテンション)目的で実施されます。
入社して数年経過したタイミングは仕事も1人である程度できるようになるので、その方のキャリアアップをよりイメージしてもらうための内容の社員教育を提供する企業もあります。
管理職へ昇格した時:管理者向け研修
管理職に上がると必要になるのが、チーム力を最大化させるための組織を作る力です。チーム内のマネジメントやチームをまたいでの連携、また会社からのメッセージを伝えるなどそれまで経験したことのない業務や役割が一気に増えます。
そのため、どのようにすれば良いかを伝えると共に不安や疑問を解消するように機会が必要とされています。
定常的に行うもの:1on1や定期的なフィードバック面談
期間を問わずに社員教育を実施できるものが、1on1や定期的なフィードバックの面談です。
これは従業員自身に自分の仕事の成果や仕事の仕方などを振り返ってもらい、よりよくするためにはと考えてもらいつつ上司がフィードバックを行うことで成長してもらえる重要な機会です。
代表的な社員教育の方法
セミナー・研修(OFF-JT)
セミナーや研修などのOFF-JTは、現場を離れて理論や知識を学ぶという場です。
大人数に対して説明を行う際や、知識をインプットしてもらうという場に置いて活用されます。
OJT
OJTは「On The Job Training」を略した言葉で、通常業務を行う中で必要な知識をインプットしていくやり方です。
担当の先輩社員の方が付いてくれる場合もあり、最初の期間は1人でやるというよりも先輩社員を見て実際に少しやってみて学ぶことが多くなっています。
eラーニング
eラーニングとはインターネットを利用した学習方法で、必要なスキルや知識を学ぶ上でいつでもどこでも学ぶことができるのがメリットです。
内製で作る企業もありますが、外部のeラーニングサービスを活用するのも1つの手です。
1on1
1on1は、週に1回~月に1回のペースで上司と部下の1対1で行う定期的なミーティングです。
仕事の進め方やそれ以外の困っていることを上司と対話をしながら解決していくものです。
社員教育に力を入れる企業の事例
社員教育に力を入れている3つの企業の事例を紹介します。
ディズニーのキャスト向け研修
ディズニーでは、キャストに対しては3日間のみ研修を行います。
ディスニーの社員教育の特徴は「ゴールを見せること」「感動を体験させること」「行動を見守ること」の3つで、マニュアルを配布したり講義を行うのではなく実際に現場に出て体感し、役割を理解してもらうことで3日間の研修を終えてパークでの業務を開始していきます。
トヨタのA3の報告書研修
トヨタのホワイトカラーの新入社員は入社後に課題を与えられてそれを「A3の報告書」にまとめるという研修を受けます。
本質的に重要なポイントのみを記載するために上司は「本質は何か?」という疑問を投げ続け、新入社員に考えさせることで思考力をつけることを目的に実施しているとのことです。
スターバックスの全員一律の研修
スターバックスでは、正社員やアルバイトなどの雇用形態は全く関係なく全80時間の研修を実施しています。
研修の内容はスターバックスの理念を実現するためにコーヒーの入れ方のレクチャーからスターバックスのミッション・歴史を学び、何をするかではなく「なぜやるのか」を思考するように徹底すると共に、「お客様に感動経験を提供して、人々の日常に潤いを与える」という理念に基づいて行動を全員が取れるよう、研修を通して育成を行なっています。
この記事を書いた人
ハタラクカルテ編集部