eNPSとは?計算方法や従業員満足度調査との違いを紹介
- 組織診断

人材の定着や活躍や顧客満足度を向上させるために、従業員満足度の向上に取り組む企業が増えていますが、その従業員満足度の指標の1つとして使われているのが「eNPS」です。
今回は、eNPSの計算方法やeNPSを向上させるメリットについて紹介します。
eNPSの意味
eNPSとはEmployee Net Promoter Scoreの略で「イーエヌピーエス」と読み、「自分が所属している会社を親しい友人や家族にどれくらい勧めたいか」という職場推奨度・職場へのロイヤリティーを可視化する指標します。
元々は、2003年にアメリカの大手コンサルティング会社ベイン・アンド・カンパニーのF・ライクヘルド氏が提唱した「自社の製品やサービスを親しい友人や家族にどれくらい勧めたいか」という顧客のロイヤリティーを測る手法を、従業員向けに応用したものです。
ハタラクカルテでは、eNPSの質問に加えて「職場環境」や「チームワーク」「心身の健康」などの項目の満足度を取得することで、それぞれの項目がどれくらいeNPSに影響を与えているのかを分析できます。
一般的にeNPSが良い企業ほど、社員が知り合いや友人を会社に紹介するリファラル採用が活発に行われたり、離職率が低下する他、生産性が高くなるなどのメリットがあるとされています。
eNPSの計算方法
eNPSは、対象の従業員に「自分が所属している会社で働くことを親しい友人や家族にどれくらい勧めたいと思いますか?」という質問に0~10点で回答してもらいます。
回答の中で、0~6点を付けた方を「批判者」、7・8点を付けた方を「中立者」、9・10点を付けた方を推奨者と分類し、
『「推奨者」の割合』 ー 『「批判者」の割合』
の数値が、eNPSのスコアです。
そのため、最小値が-100、最大値が100で、推奨者が増えて批判者が増えるほど数値は高くなり、推奨者が減って批判者が増えるほど数値は低くなります。」
eNPSの業界別平均スコア
参照:eNPSは何によって上がるのかー16業界eNPS調査結果
株式会社ビービットが調査した16の業界別のeNPSスコアの平均値によると、画像のような結果になっており、調査対象の全体の平均スコアは「-61.1」とのことです。
eNPSと従業員満足度の違い
eNPSと同じような指標として「従業員満足度:Employee Satisfaction」がよく知られています。
eNPSと従業員満足度の違いとして、従業員満足度は自分が重要なものが満たされているかが重要なため特定の項目の評価になりがちですが、eNPSは「人に勧められるかどうか」なので職場のあらゆる情報を鑑みての評価になるためより正確に職場の現状が把握できると言われております。
また、eNPSの回答で「推奨者」「中立者」「批判者」の3属性に分類することと、ハタラクカルテの詳細な項目の質問結果と照らし合わせることで、批判者が特に不満に感じている項目の傾向や、推奨者が特に満足している項目の傾向を把握できるため、改善の手立てが打ちやすいというのも従業員満足度との違いです。
eNPSを計測し、スコア改善する3つの効果とメリット
1.離職率の低下
eNPSを可視化することで、自社をなかなか勧められない方がいることを検知することで、組織や個人における課題にいち早く気づくことができ、望まない離職を防ぐことに繋がります。
企業によってはハイパフォーマーの離職を予防するために、その層の離職を防ぐために、離職と相関の強い項目の対策を行うことで、離職リスクを減らそうとしている企業もあります。
2.リファラル採用の促進
eNPSのスコアが高くなるということは、それだけ自社を友人や知人に紹介できるということなので、採用活動に積極的に協力する人が増え、リファラル採用が促進され、結果採用費用が軽減されるケースも少なくありません。
3.顧客満足度の向上による業績の向上
eNPSのスコアが高くなることで、会社のことを自分ごととして捉え、より貢献しようと熱意を持って仕事に取り組むようになります。
個人やチームの生産性が上がることや顧客に対する姿勢も変わるため、結果的に顧客満足度が向上し、会社の業績を伸ばしていきます。
eNPSのスコアが高くなることで、会社のことを自分ごととして捉え、より貢献しようと熱意を持って仕事に取り組むようになります。
個人やチームの生産性が上がることや顧客に対する姿勢も変わるため、結果的に顧客満足度が向上し、会社の業績を伸ばしていきます。
eNPSを調査する方法
組織サーベイツールの『ハタラクカルテ』では、職場推奨度(eNPS)を取得できます。
「推奨者」「中立者」「批判者」の割合やこれまでの職場推奨度(eNPS)のスコアの変動を確認できます。
eNPSに相関の強い項目・要因
組織サーベイツール『ハタラクカルテ』のこれまでの調査結果では、eNPSと相関の強い項目は企業ごとに異なります。
「メンタルヘルス」「フィジカルヘルス」との相関が強い企業もあれば、「人間関係」や「労働時間」との相関が強い企業もあります。
そのため、eNPSを測定する場合は、同時に自社の課題を測定して対策すべき課題を把握することが重要です。
eNPS調査を実施して、組織の課題を把握しよう
eNPSのスコアを改善することで離職率が低下すること、顧客満足度が上がることなどのメリットを紹介しました。
従業員の方が気持ちよく熱意を持って働けるようにするためにも、まずはeNPS調査を実施、改善の活動を実行していきましょう。
この記事を書いた人
ハタラクカルテ編集部