人手不足倒産とは?実態や発生してしまう原因、行うべき対策を紹介
- 組織診断

人手不足倒産とは?
人手不足倒産とは、企業が事業活動を行う上で必要な人数を確保できないことで、事業を行えずに倒産に陥ってしまうことを指します。
一気に従業員が辞めてしまった場合や、その業務に精通した人材が辞めた場合など、既存の業務さえも行うことが難しくなってしまうことで人手不足による倒産が発生してしまいます。
人手不足が原因での倒産する企業の実態
参照元:人手不足倒産に関する動向調査結果
帝国データバンクが行なった「人手不足倒産に関する動向調査結果」によると、2019年の1年間で人手不足倒産は185件発生し、4年連続で過去最多を更新しています。
2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う、緊急事態宣言の影響で人手不足の問題に加えて、業績悪化などで倒産や事業縮小する企業が増加しています。
しかし、経済が安定してくると労働力人口の減少に伴い、人手不足による倒産はさらに増えることが予想されます。
人手不足が原因で倒産した企業の多かった業界
参照元:人手不足倒産に関する動向調査結果
画像は、帝国データバンクが行なった「人手不足倒産に関する動向調査結果」の業種別での人手不足倒産の発生件数と前年比の増減率です。
画像の通り、「サービス業」「運輸・通信業」「建設業」などで人手不足倒産の件数が多いことが分かっています。
日本で人手不足倒産が増えている原因
4年連続で人手不足倒産が増えているように、日本において人手不足倒産が発生しているのは、「採用」「定着」「育成」にそれぞれ課題があります。
人手不足倒産に関する採用の課題
人手不足に陥ってしまう企業では、「優秀な人材が採用できない」という問題が発生していることが多いです。
いきなり優秀な人材を採用しようとしてしまっていることや、自社が採用すべき人材の要件を決めずに採用活動を行なっているなどということから、新規の採用が上手くいかずに人が増えないという自体に陥っています。
いきなり即戦力の人材を求めずに、育成の仕組みを作ること、長期にわたってサポートを行うことを前提に採用を行うことが重要です。
人手不足倒産に関する定着の課題
人手不足に陥ってしまう企業では、どうしても採用ばかりに目が向いてしまい、従業員が退職した原因や離職に繋がる可能性があることを把握せずに対策を行なっていない企業がほとんどです。
新規で採用できても、早期退職が発生したり、定期的に多くの人材が退職している企業では、まず組織の課題を把握し、問題を1つずつ解消していくことで従業員の定着に繋がっていきます。
人手不足倒産に関する育成の課題
人手不足の企業では、従業員の入れ替わりが激しいために、ノウハウやマニュアルが蓄積されないというケースが非常に多いです。
早く現場に出て活躍してもらいたいということはどの企業でも共通だと思いますが、そのために必要な教育コンテンツをマイルストーンに合わせて用意し、従業員を育成できる環境・仕組みを作ることが非常に重要です。
利益が出ていても人手不足で倒産する企業もある?
これまで利益を出していた会社でも、採用ができず人手不足に陥り、事業活動を止めざるを得ずに倒産してしまうケースは少なくありません。
特に一気に離職者が出てしまった場合は、引き継ぎを行うこともできず、サービスの質の低下を避けられないということで、関係者に迷惑をかける前に事業を畳むといったケースもあります。
そのため、利益が出ているから安心といったことはなく、常に組織の課題を把握し、対策を講じることが重要です。
人手不足を解消するための対策
人手不足を解消するためには、「採用」「定着」「育成」それぞれで必要な対策を行うことが重要です。
対策の一例を紹介すると、
・採用計画を作り、必要な人数を採用し続けること
- 採用要件を作り、その人材を採用するための採用活動を行うこと
- 常に組織の課題を把握し、対策を講じること
- 特に従業員の離職の大きな要因は、必要な予算を投じるなどすぐに対策を行うこと
- 従業員が成長・活躍するための育成の仕組みを作ること
- 常にマニュアルを整備し、更新を行うこと
上記のようなことを常に行い続けることで、人手不足の問題が解消され、従業員が定着・活躍できる組織づくりに繋がります。
この記事を書いた人
ハタラクカルテ編集部