物流・運送業界における人手不足の原因や対策法とは?
- 組織改善施策
- 組織診断

物流・運送業の人手不足の現状
テレビや新聞などで物流業界・運送業界において深刻な人手不足に陥っているという報道を目にすることもありますが、具体的に現状はどうなっているのでしょうか。
データとともに物流業界・運送業界の現状を紹介します。
物流・運送業の有効求人倍率の現状
物流・運送業界の有効求人倍率は、平成30年4月の時点で全業種が1.35倍なのに対して、2.68倍と非常に高く、人手不足であることがわかります。
また、ここ10年間においてもどんどんと採用が難しくなっている業界だということもデータから見て取れます。
物流・運送業の離職率の現状
業界別で見たときの「運輸業・郵便業」の離職率は10.5%と、他の業界と比較してそこまで高いという訳ではありませんでした。
物流・運送業の倒産企業件数
参照:「人手不足倒産」の動向調査(2019年1~12月)|帝国データバンク
帝国データバンクが調査した人手不足による倒産企業の件数を業種別で見たところ「道路貨物運送」が一番多くなっており、年々件数も増加していることがわかります。
上記のデータより、採用難易度が高く一定数離職が発生しているために、雇用確保が難しく倒産に追い込まれていることが分かります。
物流・運送業における人手不足の原因とは
物流・運送業における人手不足の原因は、上述のデータからも読み取れる通り
- 有効求人倍率が高く、新規の採用が追いついていない
- 退職率は年間10%ほどと、一定数発生をしている
ことが原因と考えられています。
それではなぜ新規の採用が難しいのか、一定数離職が発生してしまっているのかを次の箇所で紹介します。
物流・運送業における3つの課題
物流・運送業界において、以下の3つのことが人材不足の課題となっています。
1.ネットショップ等の普及による仕事量の増加
1つ目の課題は、Amazonや楽天などネットショップなどでの買い物が増えたことによって、仕事量がどんどん増えていることです。
仕事の量が増えるとそれだけ必要な人員数も増えるため、新規で採用を行う必要があります。
2.ドライバーの高齢化と若手ドライバーの減少
2つ目の課題は、ドライバーの高齢化が進んでいることと若手の人材が少ないことです。
国土交通省の調べによると、トラックドライバーの最も人数の多い年齢層は40代で、全体のおよそ33%を占めております。
20代や30代の若手のドライバーの人数は40代のドライバーの人数にも満たないなどと今後ますますの高齢化が進んでいく可能性があります。
3.劣悪な労働環境のイメージがあり、採用が難しい
3つ目の課題は、物流や運送業に対して「深夜勤務」「肉体労働」などと大変な仕事というイメージを持たれてしまい、なかなか人材が集まってきません。
そのイメージのせいで、求人自体はあるけれども採用に繋がらないという状況になっています。
物流・運送業における人手不足の解決法
上述した物流・運送業の人手不足を解消する方法としては、以下のようなものがあります。
- 共同配送を行うことでトラックの積載量を上げる
- トラックで運んでいた荷物を船や鉄道での輸送を活用する
- ロボットを活用して作業を自動化したり簡略化する
- 宅配ロッカーの設置や置き配など新しい受け取りサービスを拡充
- ドライバーの労働時間の改善
上記のようにこれまでよりも効率的にすることや簡略化することによってこれまで人が必要だったものを無くしていくという方向性で物流・運送業にて人手不足の対策が行われています。
運送業の人手不足を解消するために、従業員が定着する会社を作ろう
今回は物流・運送業界における人手不足の現状や課題について紹介しました。
ECサイトの利用はどんどん増えておりますので、今後もますますの仕事が増えていくことが予想され、このままだと人手不足が加速されることが予想されます。
人手不足を解消するためにも、求職者が入りたいと思い、従業員が定着する組織づくりを行なっていくことが重要です。
組織サーベイツールの『ハタラクカルテ』では、人材定着に結びつきの強い15項目の満足度をアンケートを通して取得が可能です。
この記事を書いた人
ハタラクカルテ編集部