ミドルアップダウン型の組織経営でチャレンジ促進! 〜人材も開発も。未来を見据えて〜
- 業種
- メーカー
- 企業規模
- 〜100名
- 課題
- 現状把握の裏付け、組織課題の可視化
挨拶
滋賀県で高い技術力を活かし絆創膏などの医療品を製造されている東洋化学様。今回は取締役の岡様と総務部長の戸簾様に、組織作りの取り組みや「ハタラクカルテ」の効果・利用法についてお話を伺いました!
企業紹介
東洋化学様は1959年の創業から「体に貼る製品を通して、人々の健康と快適な暮らしに貢献する」を企業理念に掲げ、救急絆創膏を中心に製造・販売を手がけられてきました。目まぐるしく進化を続ける社会のなかで多様化するニーズに応え続けていくために、世の中の人々の苦痛を取り除く製品開発に力を入れられているメーカー様です。
(左)岡様(右)戸簾様 社屋前にて
「パイオニア精神」と未来を見据えた人事制度
- 「こだわり抜くチャレンジ精神」という言葉が貴社HPの中にありましたが、これはどのような背景から設定されたんですか?
先代の社長から受け継がれている理念です。創業からチャレンジをし続け、大事なこと、必要なことをしっかりと見極めてきたからこそ、ここまでやってこられたと思っています。
また開発ができる企業は永続的に栄えていくと考えており、その開発こそがチャレンジです。「今できること」よりも「将来的に何をしたい」「どうあるべき」から今するべきことを考えるといった将来を見据えての開発に力を入れています。
- チャレンジする文化はどのように作られてきましたか?
まずは組織構造的なところがあります。私たちの会社はトップダウンではなく、ミドルアップダウン型の組織経営を行っています。ミドル層(課長・部長クラス)が中期経営計画等においてもまず計画し、経営層に承認を取りに行くというような形で組織運営をしています。
また、創業以来メーカーとして「高品質であること」と「他とは違うこと」を重要視し、ニッチトップとしての存在意義を確立してきました。自分たちが作りやすいものを作るのではなく、世の中のニーズに合わせて、東洋化学にしかできない困りごとの解決を考え、今できないことでも技術を開発していき将来できるようにしていく、という考え方を持って製品開発を行っています。
- 今後従業員の方にはどのように働いてほしいですか?
今までは働きやすい環境を目指して職場作りを行ってきました。採用ターゲットを高卒者に絞り、その層の人が求める働く環境を提供することで低い離職率、高い産休復帰率を実現してきました。福利厚生なども整えたことでかなり働きやすい職場にはなったのかなと思います。
次のステップとして、目標を持ち、自発的に自己研鑽できる社員を増やしていきたいと考えています。
- そのために何かされている取り組みはありますか?
人事制度を刷新しました。これまでは賞与や昇給において評点はあれど差がつきにくい仕組みでしたが、会社やチームのために自己研鑽して努力する人が、より昇給し、年齢や社歴に関わらず上にいけるような制度へと変更しました。
今後は会社が求める人物像を明確にしていきたいと思っています。コンピテンシーを明確にし、刷新した評価制度を運用することで各社員が自身で目指すべきところが明確になり、現在当社が抱えている階層の固定化問題の解決になると考えています。
ハタカルを用いた定点観測
- ハタカルはどのように活用されていますか?
従業員がどういう感情で働いているか、どういう意見を持っているかを把握するために導入しました。
今後は、新しく始めた取り組みがしっかり効果が出ているのかを定点観測する目的で活用していきたいと思っています。
- ハタラクカルテの結果が出て、どう思いましたか?
予想通りの結果でした。
スコアが高かった部分に関しては弊社としても自社の強みであると認識しています。またスコアが低かった部分に関しては新しい施策がまだ上手く連動していない感があります。
評価制度を今年度の初めに改定したのですが、まだ一連の施策の一部であり、今後順次改定していく施策があります。評価制度や教育の制度を改定し全体が上手く連動し始めるまでにはある程度の期間がかかると思うので、ハタカルを使って組織の状態を定点観測していきたいと考えています。
- 今後どのような方向性で企業として成長していきたいですか?
会社の社会での位置づけや会社の価値と、従業員の認識や行動を合わせていきたいです。会社の価値は医療機器を扱う会社として高品質なものを提供していきたいと考えており、他社と同じではなく、ひと味違う独自の製品展開を行い、弊社にしか救えない人を救うことで製品や会社が長くあってほしいと願ってくれるファンを増やしていきたいです。
またけがをした人がお客様であり、その人達に必要なものは根本としてはやさしさであるため製品を通じてやさしさを届けたいと思っています。
これらの思いを念頭に、取引先に対する姿勢、従業員同士の姿勢、東洋化学の従業員はどうあるべきか、を考え行動できる従業員が増えてくれると良いなと思っています。
ハタカル編集部の所感
インタビューをさせていただいていく中で、チャレンジが生まれそれが評価される組織作りを行い、より良い会社を作っていこうとする岡様と戸簾様の思いを強く感じました。
ハタラクカルテの活用によって、現場の声や取り組みの定点観測ができていると伺いました。改めて、組織サーベイの必要性を認識できる機会となりました。
貴重なお話を聞かせていただいた岡様、戸簾様、ありがとうございました。
(本事例の内容は2024年3月の内容です)